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イタリアの太陽が生んだ物語『魔法の庭』

 

今日のカフェボンボンは、イタロ・カルヴィーノの『魔法の庭』

陽光あふれるイタリアの自然を背景に描くみずみずしい物語。昨日のジャンニ・ロダーリに続き、イタリアを代表する作家の素晴らしい作品をお届けします!

20130228

魔法の庭
著者:イタロ・カルヴィーノ/訳:和田忠彦
出版社:筑摩書房

海びらきの日、子どもたちが坂道をかけおりてきて、紺碧の海に次々と飛び込んでいく。心躍る瞬間を鮮やかに描き出した「蟹だらけの船」。

線路探検をして遊んでいたジョヴァンニーノとセレネッラが、人影のないお屋敷の庭に迷い込む「魔法の庭」。葉音ひとつしない庭をふたりが不安な気持ちで進んでいくと、やがて澄み切った水をたたえたプールに出る……。

イタリアの風光明媚なリグリア海岸の町や村を舞台にした物語11編は、どれも切ないようなおかしみにあふれています。

「魔法の庭」の「朝時間」は、誰もいない庭に咲き乱れる花。少女が指差す花を少年が摘んでいくと、いつのまにかきれいな花束ができあがっていました。

著者のイタロ・カルヴィーノは、『木のぼり男爵』『まっぷたつの子爵』『くもの巣の小道』などの名作をいくつも残しました。同時代のイタリアを生き、早く逝ってしまったロダーリとカルヴィーノ。もしふたりが生きていたら、21世紀のいまをどんなに暖かな光で照らし出す作品を書いただろうか。

イタリアの陽光と風に輝く物語をぜひ手にとってみてください。

本のお供には、カフェ・コレットをいかがでしょう。エスプレッソにグラッパやアマレット、ヘーゼルナッツなどのリキュールを入れて飲む、イタリアの美味しい飲み物です。ファンタジックな物語が生まれた国にちなんで……。

Love, まっこリ〜ナ

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小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
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まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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