BLOG

楽器が奏でる不思議な物語『くまの楽器店』

 

安房直子さんの物語はいろんな気配を運んでくる。季節が変わる気配、小さな動物の動く気配。太陽の光がぱあっと差して、春風がほおをなでるのを感じます。

20130211

くまの楽器店
作:安房直子/絵:こみねゆら
出版社:小学館

野原の真ん中の大きなニレの木の下にあるくまの楽器店。「ふしぎや」とかかれた看板が目印です。この小さなお店にあるのはふつうの楽器じゃない、とても不思議な楽器なんです。くまがどんな楽器をお客さんに選んであげるのかは読んでからのお楽しみ……。

こみねゆらさんの淡くやさしい絵が、洗練された物語によく似合う。緑のベレー帽のくまも独特なスタイルだし、店内の楽器のひとつひとつが素敵な力を秘めていそう。

机の上のタンバリンや小さな鈴。アコーディオンや木琴も懐かしいなあ。きれいなブルーのメトロノームもほしい!

楽器店のくまの「朝時間」は、野原に響くカスタネットの音。リズミカルな音に合わせて、大きなくるみの実が落ちてきます。

大太鼓をどーんとたたいたら、野原のずっと遠くまで聞こえるでしょうか。

Love, まっこリ〜ナ

 

この記事を書いた人
Nice to meet you!

朝読書のすすめ『まっこリ~ナのCafe BonBon』

公式ブログ
小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

連載記事一覧

今日の朝の人気ランキング