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詩人・茨木のり子の絵本

 

今日のカフェボンボンは、『貝の子プチキュー』

小さな貝の子を主人公にした海の物語。青い海に輝く命のきらめきを描いた絵本です。

『倚りかからず』を初めとする数々の詩で、読む人に深い感動を与えてきた茨木のり子さん。その茨木さんが生前ひとつの童話を残していました。詩を書き始める前、十代の終わりに書かれました。童話は美しい絵に彩られ、一冊の絵本となりました。

20130207

貝の子プチキュー
作:茨木のり子/絵:山内ふじ江
出版社:福音館書店

小さな貝の子どもプチキューは、波の声に誘われて海へと旅に出る。

大きな海が広がっていることも、自分が海の子であることも知らずにいたプチキューが、生まれて初めて海へ入り、透きとおった水の中を一歩一歩進んでいく。見たことのない不思議な生きものたちと出会い、水の温かさと冷たさも知る。

無数の生命を育む海の豊かさと、どこまでも深い静けさ。その海に小さな貝の子の命もゆだねられています。色鮮やかな魚や珊瑚、万華鏡のようにきらめく星月夜が、生き生きと心に残ります。

貝の子プチキューの「朝時間」は、たつのおとしごと会った朝。海の上からヒラヒラッとガラスのかけらが落ちてくる。たつのおとしごがそう教えてくれました。

本のお供には、ハートを描いたカプチーノをいかがでしょう。カプチーノの泡にハートや木の葉、動物の顔などを描いたカプチーノ。素朴なかわいい模様を見れば心にぽっと灯がともり笑顔になる。寒い季節にはとくに嬉しい心配りです。

そんなハートのカプチーノのように心温まる本。大切な人への贈り物にもおすすめです。

Love, まっこリ〜ナ

 

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小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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