BLOG

村上春樹が訳した心温まる絵本『ポテト・スープが大好きな猫』

 

今朝のカフェボンボンは、アメリカの絵本『ポテト・スープが大好きな猫』

ひとり暮らしのおじいさんと年老いた雌猫を描いた心温まるストーリーです。猫好きの村上春樹氏による、素敵な翻訳でお楽しみください。

20121028

ポテト・スープが大好きな猫
著者:テリー・ファリッシュ/絵:バリー・ルート/訳:村上春樹
出版社:講談社

おじいさんと猫が暮らすのはテキサスの田舎町。家のまわりには金色の小麦畑が広がっています。ピックアップ・トラック、揺り椅子のある玄関ポーチと、どこを切り取ってもこれぞアメリカの風景です。

猫はおじいさんが作るポテト・スープが大好きで、そこのところをおじいさんは気に入っていたのですが、そんなそぶりは見せません。玄関ポーチでつかず離れず適度な距離を保って、ポテト・スープを食べる一人と一匹を見ていると、心が深く通じ合っているようすが伝わってきます。ポーチで過ごす時間は、おじいさんと猫にとって、とても大切なひとときなのだと思います。

本当に一緒にいたいのは誰?
いつもそばにいてくれるのは?

村上さんのあとがきの「ひょっとしたら、僕もこんな晩年を送ることになるかもしれないな、とふと考えたりしてしまいます」という一文。物語に自分を重ねた言葉にドキリとしました。

おじいさんと猫の「朝時間」は、湖に魚釣りに出かけるいつもの朝。

本のお供には、体の温まるポテト・スープをどうぞ。

楽しい日曜日を。
Love, まっこリ〜ナ

 

この記事を書いた人
Nice to meet you!

朝読書のすすめ『まっこリ~ナのCafe BonBon』

公式ブログ
小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

連載記事一覧

今日の朝の人気ランキング